■概要・見所 北海道最初の鉄道はアメリカ人技師ジョセフ・U・クロフォードの指揮のもと、1880(明治13)年に手宮と札幌間にひかれました。本格的な鉄道としては新橋−横浜間、神戸−大阪間に続くもので、北海道内陸部に生活物資を運び、本州には石炭を運び出しました。 旧手宮鉄道施設は、現存する日本最古の機関車庫=機関車庫3号(明治18年)、機関車庫1号、転車台、貯水槽、危険品庫、擁壁から構成されており、蒸気機関が主流であった時代の鉄道システムを現在に伝えるものです。 【歴史的建造物/北海道大学建築史意匠学研究室・原朋教】 ◆機関車庫3号 1880(明治13)年、手宮〜札幌間に北海道初の鉄道が開通し、小樽は確たる流通港湾都市へと変貌しました。その意味で近代小樽発祥の記念建築といえ、また現存するわが国最古の機関車庫でもあります。平面は扇形で、前面の転車台から機関車の出入りを行っていました。れんがの積み方はフランス積み。これは明治初期の積み方で、れんがの長手と小口を交互に並べる方法です。 [建設年]1885(明治18)年12月竣工[構造]れんが造1階建 【産業遺産/北海道産業考古学会会長・山田大隆】 ◆旧手宮鉄道施設と古典鉄道車両群 (鉄道)海陸交通の要衝である小樽の手宮は、北海道で最初の鉄道である幌内鉄道の起点である。ここには1885(明治18)年建設のレンガ造の扇形機関車庫を含む鉄道施設が残されており、これらの施設群は2001(平成13)年に国の重要文化財に指定された。この場所には、開拓使がアメリカから購入したSL「しづか号」や、現存する国産最古のSL「大勝号」などが保存・展示されている。 |
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