■概要・見所 旧田中家家屋は積丹半島の泊村にニシン漁場の経営で莫大な富を得た田中福松の住居兼作業場の母屋で、1897(明治30)年に6年の月日をかけて、しゅん工。その後1958(昭和33)年に現在地に移築されました。 道産木材を使った梁や柱、東北地方から取り寄せたと思われる檜などがふんだんに使われ、建築者の財力の一端をうかがうことができます。 建物の外観は特徴的な大屋根中央の切妻造りの天窓、伽藍調を帯びた大屋根の庇(ひさし)などが目を引きます。 建物内部には、にしん漁の様子を写真などで展示しているほか、にしん漁で使用された道具なども展示されています。 【歴史的建造物/北海道大学建築史意匠学研究室・原朋教】 「にしん御殿」として有名ですが、正式名称は「ニシン漁場建築」です。もとは積丹半島の西岸、泊村の漁家、田中家の住宅でした。その後北海道炭礦汽船(株)が買い受け、1958(昭和33)年小樽市へ移築、寄付をしました。創建には7年の歳月がかけられたといいます。材料を吟味し、北海道産のタモ、セン、トドマツの他、弁財船で東北からヒノキを取り寄せています。太い木材をそのまま使っているので、広間に入ると重厚さを感じます。大きな部材や細かなデザインが、往時の盛況ぶりを伺わせます。 [建設年]1897(明治30)年[構造]木造2階建 |
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