■概要・見所 花田家は、全盛期に18力統を経営した大ニシン漁家でした。雇人も500人を超えたといわれています。 その花田家が1905(明治38)年頃に建造した花田家番屋は、全て地元「大椴」の山から材木を切り出し、三半船で運び、製材されたものです。道内に現存するもののなかでは、最大の規模を有し、既に稀有となった古民家建築物ニシン番屋の代表的な遺構です。 現在は道の駅「おびら鰊番屋」を併設し、通年公開されています。毎年5月下旬には「鰊番屋まつり」も開催され、多くの来場者でにぎわっています。 【歴史的建造物/北海道大学建築史意匠学研究室・原朋教】 旧花田家番屋は、北海道に残されている民家の中で最大規模。ニシン漁の最盛期には、この他にも船倉、米蔵、網倉など100棟以上の付属施設が建ち並んでいました。玄関を入ると左手に親方の住所兼執務所、右手に「ヤン衆」と呼ばれる雇い漁夫が溜まる場所を配置しています。往時は200人を超えるヤン衆がこの大空間にひしめき合い、ニシンの群来を待ちかまえていました。400uほどの溜まり場は、3つのいろりが切られた居間と、狭い通路土間を介して、雛壇状の3段のデッキと呼ばれた寝台から構成される、劇場的な大空間です。 [建設年]1905(明治38)年頃[構造]木造2階建 |
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