北海道企業局滝之上水力発電所(旧北炭滝之上水力発電所上家)

■概要・見所
【歴史的建造物/北海道大学建築史意匠学研究室・原朋教】 
 夕張の炭鉱開発を手がけた北海道炭礦汽船(北炭)は、滝之上水力発電所と清水沢火力発電所を建設し、各鉱の送配電を統括しました。この建物は、れんが壁と白色で縁どるアーチ窓の外観が印象的です。正面の窓上には、北炭の社章をかたどる星印の色ガラスが収まっています。内部は床から屋根裏まで一体となった空間で、中央に発電機が据えられています。れんが造の建物とは思えないほど広く、明るい空間です。1994(平成6)年北海道へ譲渡され、操業が継続されています。
[建設年]1924(大正13)年12月[構造]れんが造平家

【産業遺産/北海道産業考古学会会長・山田大隆】
(工場)北炭は1888(明治22)年に営業を開始した。炭鉱の発展とともに電気設備も変遷し、発・送電気技術の発展で電力の集中化が図られ、滝の上発電、清水沢発電所の建設となった。滝の上発電所は1924(大正13)年に夕張川千鳥ケ滝上流に貯水堰堤を築き、1200kwの縦型フランシス水車を2基を設置し、炭鉱へ送り、余りを家庭へ送電した。水圧鉄管がないオープンフリューム式は初期によくある低落差発電所の形式。渓谷美に合うレンガの建物が美しい。
北海道企業局滝之上水力発電所(旧北炭滝之上水力発電所上家)の写真

●所在地 夕張市滝ノ上
●営業・開催・見学情報[公開の状況]非公開(10月・ゆうばり紅葉まつり時に特別公開)
※平成27年4月の運用開始に向け改修中(改修中は施設内部の見学はできません)
●備考 [写真出典]北海道大学建築史意匠学研究室