■概要・見所 【歴史的建造物/北海道大学建築史意匠学研究室・原朋教】 ニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝(1894〜1979)は「日本のウイスキーの父」と呼ばれ、その生涯を酒造りに費やした人物です。スコットランド留学や寿屋でのウイスキー製造を経て辿り着いたのが余市で、冷たくてきれいな水と空気など、かねてからウイスキー製造の理想郷として定めていました。1934(昭和9)年工場建設を開始し、1940(昭和15)年、念願のウイスキー第1号を販売。当初の社名である大日本果汁株式会社の「日」と「果」をとって「ニッカウイスキー」と命名されました。工場施設は、アーチ状の入口をくぐると、手前からウイスキー製造の工程順に並べられています。三角屋根の石造建物群で構成され、いずれの建物も、入口に独特のアーチをデザインした石の枠を取り付けています。 [建設年]1942(昭和17)年[構造]木骨石造平家 【産業遺産/北海道産業考古学会会長・山田隆大】 (工場)北海道は寒冷地で、この気候を生かして洋酒工業が発達した。ひとつはビールで、もうひとつがウイスキー工場だった。ニッカの創始者竹鶴政孝(1894〜1979)は日本酒の家業だったが洋酒に転じ、摂津酒造社員のまま渡欧、スコットランドで修業し、帰国して寿屋に就職、ウイスキー製造を開始、熟成適地の北海道余市に渡り、1934(昭和9)年大日本果汁(ニッカ)を創業、当時のスコットランド調尖り屋根の石造工場が並ぶ。北海道遺産認定。 |
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