■概要・見所 【歴史的建造物/北海道大学建築史意匠学研究室・原朋教】 北防波堤は、1920(大正9)年樺太航路の発着場として着工され、ドームもその一環として建設されました。北側からの激浪を防ぐシェルターの役割です。70本の柱が立ち並ぶ全長427mの放射線形ヴォールト(アーチ状の曲面天井)が生み出す空間は、古代ローマ建築にも通ずる偉容を誇ります。そこではトスカナ式オーダー(古代ローマの神殿建築に用いられた様式の一つ)に似た列柱とリブ(ヴォールト補強のための肋骨状部材)が、幾何学的な簡素さを強調し、迫力を増しています。昭和56(1981)年全面的に改修されました。 [建設年]1937(昭和12)年[構造]鉄筋コンクリート造 【産業遺産/北海道産業考古学会会長・山田大隆】 (港湾)旧樺太時代、1923(大正12)年鉄道省は稚内・樺太間に稚泊航路を開設した。埠頭は国鉄宗谷線最終の南稚内駅から1.5kmあり、防波堤高さも5mで、冬の越波は危険となり、世界初のドーム型防波堤が、土谷実により設計、1931(昭和6)年に竣工、駅も延長された。埠頭は船舶3,600トン1隻、2,000トン2隻が接岸した。ドームは全長427m、高さ14mあり、列柱72本で支える。1980(昭和55)年に線路撤去後修復、諸会場に転用、北海道遺産認定。 |
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