■概要・見所 旧日本郵船株式会社小樽支店は1904(明治37)年に着工し、1906(明治39)年に竣工しました。 設計者は工部大学校造家学科(東大工学部建築学科の前身)の第一期生、佐立七次郎で、明治の洋風石造建築を代表する建物のひとつです。 純石造2階建てで内部は漆喰壁に北海道産木材のワニス塗装で、落ち着いた重厚なデザインに統一されています。 当時この建物前面には、専用の船入澗、輸出入倉庫があり建物の裏側には鉄道が走るという営業のための好施設が完備していました。 この建物は1954(昭和29)年まで支店に使われ、1955(昭和30年)に小樽市が譲り受け、1956(昭和31)年から1984(昭和59)年まで小樽市博物館として使用されていました。 1969(昭和44)年には重要文化財に指定され、1984(昭和59)年から3年間をかけて全面的な修復工事を行い、当時の雰囲気を再現しました。 【歴史的建造物/北海道大学建築史意匠学研究室・原朋教】 フランスルネサンス様式の外観で、シャンデリアや絨毯、内壁の金唐革紙(金泥で模様を付けた、薄いなめし革に似せた紙)など、随所に明治の華やかさと技術がみられます。蒸気暖房や防火用シャッターなどに最新の技術が用いられました。設計者の佐立七次郎は工部大学校の第一期卒業生(日本で最初に建築家教育を受けた一人)で、日本銀行小樽支店などを設計した辰野金吾と同期の人物です。 [建設年]1906(明治39)年10月1日竣工[構造]石造2階建 |
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