■概要・見所 サッポロビール博物館の赤レンガの建物は、札幌製糖会社の工場として1890(明治23)年に建設されたもので、1905(明治38)年から札幌麦酒会社の製麦工場として使われておりました。旧北海道庁とともに明治の面影を残す数少ない貴重な文化遺産です。 館内は、北海道の豊かな大地が育てたビールづくり、1876(明治9)年の開拓使時代からのビールづくりにかけた人々の情熱やこだわりをはじめ、日本のビール産業の歴史や人とビールの想い出を実際に使われていた明治以降のポスター・看板などを展示し、興味深く紹介しています。 見学後は、趣のある赤レンガの建物のなかで、工場直送のフレッシュなビールやソフトドリンクの試飲(有料)ができます。 【歴史的建造物/北海道大学建築史意匠学研究室・原朋教】 ◆サッポロビール博物館(旧札幌製糖工場) 1890(明治23)年建設の札幌製糖工場を、同36年サッポロビールが買収。増改築を行いビール製造の製麦工場として、1965(昭和40)年まで利用されました。現在は大空間の魅力を生かしたビヤホールとビールの博物館となっています。床面積3,263.93uもある大規模な歴史的建造物が、大都市にあること自体珍しいといえます。外観は半円アーチを架けた上下げ窓やドーマー窓(屋根窓)がリズミカルに並び、れんがと周囲の緑と相まって独特の景観を生んでいます。また後ろに見えるれんが煙突の高さは48.5mで、道内屈指の高さです。 [建設年]1890(明治23)年[構造]れんが造4階建 【産業遺産/北海道産業考古学会・山田大隆】 ◆サッポロビール工場群遺構 (工場)開拓使は北海道の産業育成のため、大型醸造業に注目、欧米に近い気候を生かしてビール工業の確立に努めた。典型的装置産業史である。札幌市北2条東4丁目の明治建築のレンガ工場を活用したサッポロファクトリー(第1工場)、JR苗穂駅裏手にあるビール園、博物館(第2工場)が元サッポロビール工場群である。この会社は1876年に開拓使麦酒醸造所で発足、88年札幌麦酒会社で日本最大でこの建物が残る。札幌苗穂地区の工場・記念館群の一施設として「北海道遺産」に選定。 |
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