12/7(土)シィービーツアーズ「びらとり満喫体感日帰りツアー」を開催しました
2013年11月、12月に7回にわたり開催中のシィービーツアーズさん主催の平取町伝統的工芸品指定特別モニターツアー「びらとり満喫体感日帰りツアー」。ノーザンクロスメンバーも同行ガイドや現地ガイドとしてスタッフ参加していますが、今回はいち参加者として参加して12/7の回に同行してきた様子をレポートいたします。(ツアーの内容はこちらです) 経産省に今年「伝統的工芸品」として指定された「二風谷イタ」「二風谷アットゥㇱ」ですが、このツアーは工芸家の方々とも触れあえ、これらの工芸品を育んできた「二風谷」という地域を満喫できるというのが魅力です。私も何回か二風谷は訪れていますが、いつもなんだか慌ただしく帰ってしまうので、工芸家の方々の工房がつらなる「匠の道」をゆっくりと訪れるのを楽しみにこの日を迎えました。 シィービーツアーズの添乗員は、木下さん。ユーモアたっぷりの挨拶に車内がなごみつつ、耳が自然とお話しを聞くモードに。ドライバーは佐藤さん。 平取町は、目に入る風景すべてといっていいほど、見どころ満載なのです。 最初に訪れたのは、二風谷ダム。 二風谷ダムから沙流(さる)川を眺める参加者のみなさん。 アイヌ民族が昔から暮らしてきた沙流川流域。その生活に欠かせないのが、そうです。サケです。沙流川にはサケがのぼってきます。ダム建設においても、魚道をつくり、遡上してきたサケが上流に行けるようにつくられており、実際に上流でサケが目撃されているそうです。いまはオフシーズンなので水を流していません。 沙流川の風景。 バスでまた左岸に移動し、二風谷アイヌ文化博物館に到着すると、当社スタッフと町内のボランティアスタッフがお出迎え。 豊富な展示資料の中から、こちらは「伝統的工芸品」に指定されたてホヤホヤの「二風谷アットゥシ」を織っている途中の状態の展示です。ガイドの「さわってみてもいいですよ」の声に、興味津々でさわる参加者のみなさん。後ほど、実際に作家さんが織っているところを拝見することになります。 こちらは川辺に生えるガマを材料にしてつくる「トマ」。これも、つくっている途中のようすが展示されています。 一度では見きれないくらい多くの展示物があり、私は毎回時間切れになります。 もちろん、「二風谷イタ」は、素晴らしいものがいくつも展示してあり、しっかり照明の当たっている中で見ることができました。 トゥキパスイやマキリも、作家によって作風が様々で見ごたえがあります。ここに来るたびに見るのが楽しみです。 素晴らしい展示を見たあとは、待ってました、ランチタイム! 特に私は「シト」と呼ばれるアイヌ伝統の団子が気に入りました。平取町には何回も行っているはずですし、ブログの更新で写真で見たりはしているのですが、実際にシトをいただくのはこのときが初めて。シプシケプシト(いなきびのシト)もおいしかったのですが、特にトゥレプシト(オオウバユリのシト)が弾力があってしっかりと噛みごたえがあって、おいしかった。 名残惜しい。 お腹と舌が満足したところで、少しだけ博物館から川のほうに散策。 さて、今度は、二風谷工芸館で、アイヌ文様の入ったコースターをなんと、自分たちで彫るのです。 関根さんは、町内のアイヌ語教室で子どもたちを教えていらっしゃって、子どもたちに教えているという身体の部位を覚える歌を、身振り手振りつきでみんなで歌いました。一度には覚えられないけれど、からだを動かしながらだと何だか覚えられそう! 参加者のからだと緊張がほぐれたところで、彫り方を一つずつ習いました。 私にとって木彫は予想どおり難しかったです。もちろん、最初から上手ならば彫刻家になっているのでしょうけれど・・・。 二風谷民芸組合の組合長の貝澤守さんも、指導にあたられました。 しかし・・・。見本と、奥の自分の彫ったもの、何かがかなり大きく違う・・・。 正月にでも、裏側をつかって「ラムラムノカを彫ってみようか。そもそも、自宅に彫刻刀はあるのか。 それでも、ちょっぴり悔しいですが、手を動かすのとチャレンジできたことがたのしかったです。 木彫のあとは、バスで「匠の道」の上にある店まで移動して、そこから思い思いに工芸店をハシゴをしながら博物館前まで降りてきました。そうそう、今日のバスは「北海道遺産バス」白いバージョンでした。 この風景の中に、アイヌの伝統的な茅葺の家屋「チセ」群が写っていますよね。 「匠の道」散策タイム、私はかなり流れに任せて行動したため、時間切れで3カ所しか回れませんでしたが、濃い時間が過ごせました。 ずうっと降りていくと、二風谷アイヌ文化博物館の独特の屋根の形が目にはいります。 歩いていると、「貝沢民芸」さんの工房でアットゥシを織っているようすを特別に見学することができますよ、と声がかかり、こちらにお邪魔しました。 工房の中には、アットゥシの原料オヒョウニレの内皮や、それを細く紡いだ糸なども置いてありました。樹皮から糸にするだけでもかなりの時間がかかり、それを反物にするまでにはさらに手間と時間がかかります。 もう1軒、高野民芸さんにもお邪魔しました。お店に入ると、トンコリ(弦楽器)が並んでいるのが目に入りました。こちらでは、伝統的なものだけを作られているそうで、もう行われなくなって久しい熊送りの儀式イヨマンテにつかわれた花矢などもつくっています。 私が高野さんのところでゆっくりとしている間、参加者のみなさんは、ムックリ(口琴)の上手なスタッフによる演奏で、ムックリの音を聴いたそうです。 二風谷での体験をたのしんだあとは、最後にお買いものタイム。 このように、1日、たっぷり満喫いたしました。 いろんな「おみやげ」ができました。 いつまでも手を振る平取のスタッフたち・・・。 この「びらとり満喫体感日帰りツアー」は、基本メニューは同じものでも、毎回発見があったり、少しずつ違う内容の部分もあるかと思います。1回ごとにスタッフが工夫を凝らしていますので、このあと冬に開催するツアーにもぜひご参加ください。 スイウヌカラアンロー!(またお会いしましょう) ———-
伝統的工芸品には、石川県の加賀友禅、佐賀県でいえば伊万里・有田焼や唐津焼、奈良県の奈良筆、愛知県の尾張七宝など、現在215品目が指定されています。平取町の「二風谷イタ」「二風谷アットゥシ」の2品は、どちらも2013年3月に指定されました。なお、これは北海道では初めての指定となります。 |